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田部家謹製「真火鐵」

室町時代から鉄師として600年
受け継ぐ山々からいただく恵みと
先祖伝来の技術で鉄を作り続けてきました
たたらを背負う責任と未来への想いを胸に
100年の時を経て田部家のたたら吹きは復活し、火を灯しています

鉧(けら)について

土で造った炉に大量の砂鉄と木炭をゆっくりとくべ、絶やさず燃やし続けることで鉄を生み出します。たたら一代(ひとよ=一操業)に対し、その量は砂鉄13tと木炭13t。ふいごと呼ばれる送風装置から風を送り、1500度近い炉の温度に熱せられた砂鉄の不純物が、土とともに排出され、純度の高い鉄の塊に精製。この鉄の塊のことを「鉧」といいます。鉧の中で純度が高く良質な部分は「玉鋼」と呼ばれ、日本刀の素材として使用されるなど珍重されてきました。

生産された「鉧」は小割され大鍛冶場で加工されたのち、千石船に乗せて日本全国へ流通していきました。
各地で刃物や農機具などになり、人々の生活を支えていたのです。

真火鐵について

生産された「鉧」は小割され、大鍛冶場で加工されたのち、千石船で日本全国へ流通していきました。各地で刃物や農機具などになり、人々の生活を支えていたのです。田部家の鉄は明治時代にはシカゴ万博・パリ万博に出品され、その品質は世界的に大きな評価を得ることとなりました。大正時代には天皇のお守り刀に使われる玉鋼を当家から献上させて頂く栄誉も。100年の時を経て復活した田部家のたたら吹きでは、作り出される鉄を「真火鐵」と名付け、現代にその価値を伝えていきます。

加工について

鍛造の工程では、奥出雲の刀匠の折り返し鍛錬によって真火鐵が鍛えられていきます。日本刀を生成する際と同じく、叩いて叩いて叩きしめることで、不純物を出し、焼き入れして整えていくことで、魂のこもった鋼材が出来上がります。
「真火鐵」はいくつものも工程を経て、現在の生活に沿ったプロダクトへと生まれ変わります。伝統の技を持つ刀匠の鍛えた鋼材が、全国の職人の手により、唯一無二の製品として昇華されるのです。