TATARA Project

PROJECT

田部家のたたら吹き

室町時代初代彦左衛門が神夢によりたたらをはじめ600年。
伝統と革新を繰り返しながら、先人より受け継いだ日本古来の鉄づくりの
精神と技法を「鉄師」田部家が現代に伝えます。

奥出雲地方のたたら製鉄

大正期に一時途絶えてしまった、たたら製鉄。かつて国内の鉄づくりの大半を担い日本人の生活を支えた産業は、地域の誇りです。広大な山々からなる豊かな自然。たたら製鉄と歩んだ町並み。歴史と文化を紡ぐ人々の営みが、今なおここにあります。この地域の象徴である『たたら吹き』を復興し、現代にあった新しい価値を創造することで、技術と想いを次代へつないでいきます。

100年ぶりの復興

2018年、大正末期以来田部家のたたら吹きが100 年ぶりに実施されました。参加者全員が身を清め、往時の営みに思いを馳せ、たたらを支える自然に感謝。歴史を受け継ぐ誇りと責任を感じる一昼夜の操業となりました。たたら復興の取り組みは地域住民の皆さんをはじめ、多くの方々からご賛同をいただきました。たたらがこの地域の誉れであることを実感するとともに、未来につないでいく決意をあらたにしています。

出雲大社のご神火

田部家のたたら吹きの復興にあたり、出雲大社様からも多大なるご理解とご賛同を頂戴し、操業に使用するご神火を賜りました。火入れの神事を行い祈りを捧げ、その後もご神火は大切に保管。現在も操業のたびに種火として使用しています。
灯り続けるご神火と多くの方々に見守られ、たたらを吹くことができることに感謝の想いを新たにしました。古から続く時間の流れを感じながら、この文化を未来へ紡いでいく喜びと責任を実感しています。

参加できるたたら吹き

現在は春と秋の年2回、田部家のたたら吹きを実施。室町時代から田部家のたたらの中心地であった雲南市吉田町で執り行われます。田部家土蔵群をはじめたたらで形成された企業城下町の町並みは当時の情景を今に残しています。
たたら文化をたくさんの方に知っていただきたく、一般の方のお申し込みを受け付けております。通常非公開の田部家邸内や、周辺の重要有形民俗文化財である菅谷たたら山内など、文化施設の見学とあわせてここでしかできない体験をご用意。長時間の操業体験ののちに鉧(けら)が取り出される瞬間、ご参加された方々は一様に素晴らしい笑顔を見せてくださり、私たちの喜びと励みになっています。皆様には、ご自身で投入された砂鉄から出来上がった希少な和鉄をお渡しています。

現代のたたら吹きで、新しい価値を次の時代へ。