TATARA Project

PROJECT

出雲大社遷宮の杜

60年に一度行われる出雲大社の遷宮行事。
屋根の葺き替えに使用される檜皮(ひわだ)を地元の山で育て、献上したいー。
子々孫々とバトンをつなぐ、壮大なプロジェクトが始まっています!

遷宮の杜について

平成20年より行われた「出雲大社平成の大遷宮」。この際、屋根の葺き替えに使用された檜皮は全国から集められ、県内産のものはほとんどありませんでした。
また、調達そのものが容易ではなく、今後の遷宮でも檜皮の大量確保が課題となっています。
田部家25代当主は「遷宮に使用される材は出来る限り県内で担うべき」と考え、檜皮の無償提供を申し出ました。令和3年6月、出雲大社様との協定書への調印式が執り行われ、今後は檜皮採取のための杜づくりを進めていきます。

杜のはじまり

2018年に田部所有の山に檜皮の専門家を招き、品質の確認を行い、ヒノキ山の保全の準備がスタート。2018年には出雲大社様にもヒノキ山をご視察いただきました。目指すのは、出雲地方の象徴である出雲大社様で必要とされる檜皮の全てを私たちの山から献上すること。このヒノキ山は、〝出雲大社遷宮の杜〟として保全していきます。この場所で、歴史の一部となる檜皮が育っていくのです。

ヒノキの皮

檜皮は、一般的には100年生から300年生のヒノキから採取されます。荒皮を13年間隔で3周期繰り返し剥いでいくと、品質が高く収量の多い黒皮へ変化してきます。次回の遷宮は2068年開始予定。それに向け、まずは黒皮に育てていくことが大切になります。檜皮は各地の神社の遷宮や葺き替えで求められていてますが、生産量が減少しています。〝遷宮の杜〟が栄え続ければ、檜皮葺きという日本が誇る伝統文化の継承にも貢献できるはずです。

次の遷宮に向けて

通常、人工林のスギやヒノキは60年以上も経過すれば建築用材などに利用するため伐期を迎えますが、「出雲大社遷宮の杜」に定めたヒノキ山はこれから100年200年と守り育てていくことになります。子々孫々と「技」と「想い」を繋いでいかなければなりません。豊かな山を育むとともに大切な文化を未来へ届けることが、私たちの使命と考えています。

神話のふるさとで杜を守り、この先へ紡いでいく。